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sunset~君の光になりたい
第80章 REUNION
マウンテンレコードが近づくにつれ胸が早鐘を打ち、脚が知らず知らず震える。
嬉しくて、不安だった。
ヒロは、もしも千波が記憶を無くしていても、またプロポーズする、と言ってくれた。
帰ってくるのを待っていると。
彼に会ったらまず、何を話そう――そこまで考え、千波はふと足を止める。
(そうだ……私……何をヒロさんに話すことがあるの?
ずっと病院の中で……見ていたのは鉄格子の窓から少ししか見えない景色に……
病室の白い天井に……パニックを起こして鎮静剤を打たれる時に見える……看護師さんの白いマスク……)
不意に景色がグラリ、と揺れて、千波はこめかみを押さえて呻いた。
暫く無かった頭痛に襲われてしまい、立ち止まっていたら誰かがぶつかってきた。
「……っすいませ……」
「ちょっと――、周りを見なさいよね――」
女子高生二人組が、軽く千波を睨むが直ぐに行ってしまうが、すれ違い様に聞こえた会話が耳の中へと飛び込んできた。
「thunder超カッコいい――特にヒロ――!」
「でも――、女いるんでしょ?いつもシルバーの鎖に小さい指環通して付けてるよね――どう見てもあれって女の指環でしょ」
「うう――噂だよね――どうなんだろ」
「まあ、うちらには雲の上の人だから――どっちでもいいしね――」
「そうだね――見てるだけで幸せ――!!」
二人の声が耳に突き刺さり、千波は暫く激しい人通りの雑踏で立ちすくんでいた。
何て事はない会話なのに、聞き流せなかった。
――指環って……誰の指環なの?
私が居ない間に他に……?
ヒロに贈られた指環を、返してしまった事を思い出して、千波は口を掌で覆った。

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