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sunset~君の光になりたい
第72章 震える決意②
なんだか高そうな弁当だった。


皆これを食べながら談笑していたのだろうか。
テーブルには弁当がいくつも積み上げてあった。


そして、ソファに座る華奢な女性が居る事にその時初めて気付いた。



色白の、細面で、優しげな印象な顔立ち。
身体は折れてしまいそうに細い。


千波を見ると目を潤ませて唇を開きかけ、また閉じた。



寒気を覚えた千波はよろめいた。

りゅうが肩を支えてくる。


ペコは、その女性と千波を交互に見て、静かに言った。




「実に10年振りね……
千波ちゃん、貴方のお母さん――千穂さんよ」




身体が冷たくなる。
息苦しさを覚える千波の肩をりゅうが強く握ってきて、飛びかけた意識が引き戻された。



お母さん、と呼ばれた女性は千波をじっと見ている。



(何故、そんなに見るの。
小さな頃は、私を見ようともしなかったのに)


懐かしさなど、何も沸き上がって来なかった。


ただ思うのは、どうして?
……どうして?

無数の「どうして?」という思い。



張り詰める空気の中、千波は左手の薬指のリングに触れて、気持ちを落ち着かせようと念じた。




……逃げる事は出来ない。
受け止めないと、先へ進めない……


先へ……
ヒロさんとの明日へ進む為に……
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