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sunset~君の光になりたい
第38章 セピアの記憶②
 千波はクスリと笑ったが、里沙はムッとした。

「何よー!りゅうの奴!私に必殺技で負けたくせにー!」
「必殺技て何?」

 先生が呆れ顔で訊く。

「……スーパーミラクルムーンサルト里沙がお仕置きするわよスペシャル!!」

 ベットの上に飛び乗り、当時流行っていた戦隊ヒーローのポーズを取るが、頭に激痛が走り里沙はうずくまった。

「里沙!大丈夫!?」

 千波がまた泣きそうな顔になる。

「も――佐藤さん!ちょっとあなたは落ち着きなさい!」

 先生は目を吊り上げた。
 その時、学校から連絡を受けて迎えに来たペコが保健室に入ってきて、先生に何回もお辞儀をしてから里沙の頭をぶっ叩いた。

「いたあいっ!酷い!怪我人の私に!」
「いたあい!ひどい!――じゃないわよ!今月で何度目よっ!皆に心配かけてっ!先生、ほんっっっっとーーにうちのバカ娘が申し訳ありませんでした!こんな子ですけど、どうか担任の一年間だけは見捨てないでやって下さいな……!どうかどうかよろしくお願いいたします!
 里沙っ!ほら先生に頭を下げる!はい!よし!もうこれに懲りたらヒーローごっこなんて止めることね!さあ~帰るわよ!あ、千波ちゃん、送っていくわよ?」

 千波は、首を振った。

「いえ……大丈夫。今日はひとりで帰ります」
「……そう?」

 ペコが千波の顔を覗き込むと、千波はニッコリ笑った。

「ありがとう、ペコさん。里沙、また明日ね」
「うん。バイバイ」

 手を振る千波に、里沙も振り返した。



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