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sunset~君の光になりたい
第18章 逢い引き
 ゆっくりと視界を覆っていた指が離れ、里沙が振り返ると、武彦が佇んでいる。

「……今日は、デート、て思ってくれてるんかな?」
「見てたの?普通、ナンパの危機から助けてくれるんやないの?」
「里沙さんならうまく切り抜ける、てわかってたから」
「何よそれ……」

 いささか傷ついてそっぽを向くと、彼に抱き締められた。
 里沙の顔は武彦の胸のあたりで埋まり、少し息苦しい。

「ふがっ」

 思わず、変な声が出る。

「ゴメン。嘘や。心配で、すぐに駆け付けようと思った……けど」
「ふごっ……けど何っ?」

 里沙は顔を動かせない状態のまま呼吸を確保するのに必死だった。

「君が、はっきりと断るのを見たかった」
「ふぇ!?」

 武彦は、そこで抱き締める力を弱め、じっと見詰めて来る。里沙も吸い寄せられるように見詰めた。
 よくわからない何かの感情が、里沙の胸の中で芽吹いている。

「はっきり断ってるのを見て……すごく嬉しかった」

 武彦の両目は相変わらず重たい前髪で隠れていた。だが、里沙はいつの間にか、その表情が読めるようになってしまっている。
 彼は、両目を潤ませ愛おしむように見詰めているのだ。
 自分の頬が熱くなっていくのがわかった。


 ――私はOVEREARTHのタケヒコが好き。大好き。
 けれど目の前にいる、この人を、可愛いと思ってしまう自分もいる……

 手を差し出すと、大きな手が、しっかりと握り締めてくる。
 二人は、お互いに何も言わないままバス停に向かって歩き出した。
 手から、逸る鼓動が伝わってしまうだろうか。
 大きな背中を見つめながら、そんな事を思っていた。


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