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父と娘の近親相姦日記 第2部 暴走編
第27章 群がる蟻たち

[11月21日] 風景:綾辻本家
蓋を開けてみれば、ちららと呼ばれた女性が準備していたのは本格的な客人へのもてなしであり、柚子が想像していたような破廉恥な宴が待っていたわけではなかった。
豪華な食事と、明るさの絶えない清隆の接待を受けて、柚子の中の薄黒い霧は晴れていく。
「ね、少しこれ飲んでみる?」
そういって、清隆はグラスに半分ほどワインをついだ。
「わ…いい香り…でもこれ、お酒じゃないの?」
「ちょっとぐらい大丈夫だよ。試してごらん。」
また千鶴が割って入って、清隆をたしなめるかなと柚子は思ったが、彼女は二人のやり取りをニコニコと優しげに眺めるだけである。
「じゃあちょっとだけ…」
グラスをとって、恐る恐るワインを口に運ぶ。そしてその味を感じた瞬間、柚子の顔は歪んだ。
「んーっ!?」
ワインの豊潤でフルーティな香りと、その赤い色から想像される濃い甘さとは異なり、柚子の口の中に耐えがたいほどの苦みが広がる。
げっ!なんでこんな美味しそうなフルーツの香りなのに、こんな苦い汁になっちゃうの!?大人ってよくわからんっ!

