パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第27章 群がる蟻たち

　「柚子ちゃん、どした？」

　清隆くんに声をかけられて、私の恥ずかしさも頂点。頭の中を見透かされてるんじゃないかって、思わずその表情を伺ってしまう。

　「さ、座ろ。」

　清隆くんは椅子を引いて、そこに座るようにと私を導く。
　
　私はちららさんの向かいに座り、清隆くんは私の隣に座った。　
　
　「お肉は、苦手だったかしら…」
　「いっ、いえ、そうじゃないんです…ごめんなさい、ちょっとびっくりしちゃっただけで…」

　「そうだよなあ。こんな広い食堂で、こんないい肉並んでたらビビるよなあ。さすが金持ちの家は違うっ、てね。」
　「清隆っ！あなたまたそういう言い方する。こういうのがいいって、あなたが言ったんでしょう？」

　「へへへ、ま、そうだけどさ。若者は肉がいいのよ。なっ、柚子ちゃん。」
　「う、うん…お肉は好きだよ…ごめんなさい、なんか微妙な反応しちゃって。」

　3人で、いただきます、と言って手を合わせると、私はナイフとフォークに手を伸ばした。

　何もかもが本当に美味しくて、ちららさんが本気で私をもてなしてくれているのを感じられる。
　食事が進んでいくと、私はさっきまでの恥ずかしさでいっぱいな気持ちから解放されていって、いつの間にか素直にその美味しさを楽しむことができるようになってた。

　広い豪邸で豪華なお食事。そしてその時間を一緒に過ごす、カッコイイ男の子。

　私はちょっと自分もお嬢様になったような気分だった。