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父と娘の近親相姦日記 第2部 暴走編
第27章 群がる蟻たち
 「そうなんですか。広いって…どのくらい?」
 「裏山とビーチも含めたら東京ドーム10杯分くらいかしらね。」
 「うそっ!そんなにっ!?」

 本意ではなかったのかも知れないが、状況を打破するために自慢話のような食いつきの良い話題を、千鶴は振った。

 「柚子ちゃん、びっくりするでしょ?ちづ姉んちは本家だからさ、もうなにかとスケールがちがうんだよね。」

 柚子ちゃん、と最初から馴れ馴れしい言い方をする清隆に、ああ…苦手なタイプだ、と柚子は感じる。だがそれはあまり大きな問題ではないはずである。

 日頃から、馴れ馴れしい人は苦手よ、などと公言している柚子であったが、しかし振り返ってみれば友人として彼女の周りに残るのは、性別によらず結局このタイプの人間であった。
 自分が欲しいものに対して積極的に行動を起こすという強さが柚子には欠けていて、そんな柚子を許し、受け入れてくれるのは、ある意味少々雑な神経の持ち主というわけだ。
 父との件や今回の旅行の件でもそうであったが、結局相手に誘いをかけてもらえるようにわざとスキを見せてみるくらいのことが、彼女にできる精一杯の積極性なのである。
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