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迎春花が咲く
第2章 出立
クルマが家の前に止まっていた。
最近有名な乗り物だ。値段は豪邸1件分だと聞いた。

「初めまして、皆本志津恵さま。私は花田家の使用人をしております伊野と申します。花田邸までは私が運転させていただきます」
「はぁ……」

黒服を着た白髪交じりの上品そうなおじいさんが私に挨拶をする。こんな丁寧な言葉をすらすらと言う人を見るのは初めてだった。
もしかしてとんでもないところに私は嫁ごうとしているんじゃないのだろうか。
母を見ると俯いている。妹弟もやはり浮かない顔をしていた。
娘の門出だが父は仕事だ。

「さぁ、お荷物をお預かりします。お乗りくださいませ」

私は荷物を詰めた鞄を渡してクルマに乗り込む。
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