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例えば、こんな...
第6章 バレンタイン企画
自分で歩けると言う真純をバスタオルで包んで寝室へ運んだ。
「ドライヤー取ってくるから、水飲んで休んでて?」
念を押して部屋を出る。
急いで脱衣室へ行き、パジャマを羽織った。ドライヤーと真純の着替えを持って寝室へ戻る。
真純はヘッドボードを背もたれに、上体を起こしてペットボトルを抱えていた。
「起きて大丈夫?」
歩み寄りながら声を掛ける。
「はい。もう大丈夫です……スミマセンでした」
頭を下げ、タオルを巻いただけの自分に気付いたのか、慌てて布団を肩まで引き上げた。
その動きの素早さに大丈夫なんだとホッとする。

さっきは焦った……

「下着、いる?」
手触りの良いキャミソールを引っ張り出して見せると見る間に頬が赤く染まる。
「ぁ……い、いり……ます」
「はい」
ベッドサイドに腰掛けて、それだけを渡す。
「……あ、の……」
「うん?」
眉の下がった困り顔。
改めて顔色が良いことに安心して、意地悪したくなる。
「全部、下さい」
「全部?」
「はい」
コクンと頷いて見上げてくる。

そんな顔されたら渡したくなくなるんだけど……
ね、わざと?
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