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例えば、こんな...
第6章 バレンタイン企画
顔を寄せ、耳に掛かるように
「逆上せないように、時々水飲んでね」
言葉を紡ぐ。
「んっ……は、い」
真純の身体はぴくんと震え、ますます赤く染まりゆく。

今からこんなで大丈夫?
急がないと、すぐに逆上せそう……

からかうのは止めにして、自分を洗うのに専念する事にした。

視界に入るとどうしても悪戯したくなる。なるべく見ないように心掛け、他愛ない事を話しながら頭を洗う。同じ様に身体も一通り洗い終えて湯槽を見ると、真純はすでにクッタリと力なく、今にも沈みそうになっていた。
「真純!」
急いで湯槽から引き上げる。身体が熱い。
「……だ、だいじょぶ、です」

今にも絶えそうな吐息で大丈夫って!

「大丈夫じゃない。水飲んだ?」
湯槽に浮かぶペットボトルはどちらも口の開いた気配がない。
「き、緊張して蓋が開けられなくて……」
「そういう事は早く言う」
取り出した水は温かいが、飲まないよりマシだ。
「脚に水掛けるよ」
言って膝から下にシャワーでぬるめの温水を掛ける。そのままシャワーを固定し、水温を下げて脚を冷やす。上体を抱き抱え
「水、飲んで?」
真純の口にペットボトルを押しあてた。
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