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目が覚めたら。
第10章 変態王子様のご褒美
 

 わくわくしながら椅子に座る。

 脇によくわからないボタンが沢山あったから、とにかく色々押してみた。

 
 しかし、動かない。


 起動させるのはどこのボタン?

 この表示はなに? 数字を選べと? ならばやはり極上の最高値に。

 よくわからないあたしが適当に押していると。



 う゛ぃーーん。


 そして突然に始まる機械音。


 あたしはきちんと仰向けに座っておらず、むしろ俯せになっている状態で唐突にそれは始まった。



 ボコボコボコっ!!


 顔面パンチ!!


「アウチ、アウチっ!! なにこれ、なに!?」



 ゴーリゴリゴリ。


「イタタタタ、そこほっぺ、ほっぺっ!! 待って待って待って!!」


 ギュウギュウギュウ!!


「そこは胸だ、どこ絞る――っ!!」


 とにかくあたしの柔らかな場所に執拗に繰り返される攻撃は、弱点に容赦なく怒濤の攻撃をしかける帝王様のお仕置きのよう。


 マッサージデビューしたばかりの精神的小娘にはレベルが高すぎた。

 こんなのに、安心して身を委ねてなんていられない。

 これは拷問器具だ。トゲトゲに入れられる有名な「鉄の処女」と並ぶ、これは現代版にアレンジされたデジタル淫魔集中責めだ。


 殺 さ れ る。


 本能的危機感が、マッサージチェアのコンセントの引き抜きに成功し、肩ではぁはぁ浅い呼吸を繰り返すあたしは、恐ろしい椅子から飛び退き、その裏にひっそりと佇むただの長椅子の端に体育座り。


 ぶるぶるぶる。

 絶対、もうあんな恐いのやらない。
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