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氷の華~恋は駆け落ちから始まって~
第5章 彷徨(さまよ)う二つの心
 トンジュは片肌脱いでいるにも拘わらず、汗をかいている。三月も半ば近くになり、日中は幾分春めいてきた。汗をかく質であれば、力仕事に精を出せば汗もかくだろう。
 小麦色の膚を汗の玉が流れ落ちている。逞しい身体は引き締まり、余分な肉は全くない。半月前、あの腕に抱かれたのだ。
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