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白衣を脱いだら~熟れた蜜の囁き
第6章 出会い(6)
セックスの確かな温もりと、言葉にしがたい気怠さが、カーテンの閉ざされた部屋の空気にまだとろりと溶けていた。乱れた寝具の隅で、美香は名残を惜しむようにゆっくりと身を起こす。散らばっていた下着を手に取り、まずは柔らかな布地を体にまとっていく。

黒いパンストが、美香のすらりとした美しい脚に滑らせるようにしてすっと覆い吸い付いていく。その、何気ない仕草の一つひとつに、底知れない妖しさと凛とした美しさが宿っていた。

着衣を整えていく美香の横顔を、昭吾はただ息を詰めて見つめている。下着やパンストを纏うというありふれた動作のなかにすら、昭吾は美香の美しさを感じずにはいられなかった。肌に触れる黒のコントラストが、別れの時間が近づいているという事実を静かに突きつけてくるようで、昭吾の胸のうちは言いようのない名残惜しさで満たされていく。

「ねえ」

ふと、美香が手をとめて振り返る。

「あなたの誕生日って、いつ?」

唐突な問いに、昭吾は少し驚きながらも答える。自分は十一月生まれだと微笑む美香に、男は十二月だと自分の誕生日を告げた。

「誕生日には、何をするの?」

そう問うた美香の瞳を覗き込みながら、昭吾は偽りのない本音を吐き出す。特別な予定なんて何もない、ただ、できれば「美香さんと一緒に過ごした」と呟いた。

美香はすぐには返事をしなかった。ただ少しだけ目を細め、意味深な微笑みを湛えた。

「私の誕生日には友達が祝ってくれる食事会があるんだけど……あなたも、来る?」

思いがけない誘いに、昭吾の胸が熱を帯びる。「もちろん行きます」、と返す声には迷いなど微塵もなかった。

昭吾は背中からそっと抱きしめるようにして美香を閉じ込めた。黒いバッグを手にした美香の肩に顎を寄せ、首筋の柔らかい皮膚に唇を落とす。彼女は軽く息を詰め、バッグを床に落とした。布地が鈍い音を立てて沈む。

「……ん」

低く、甘く漏れる吐息。

昭吾の手がブラウスの隙間から滑り込み、下着の上から乳房を包み込む。温かい掌の感触に、美香は背筋をわずかに反らした。さっきまでの気怠さが、ゆっくりと別の熱に変わっていくのを感じながらも、彼女はそれを拒まなかった。むしろ、別れ際のこの触れ合いが、どこか胸に染みるものとして受け入れていた。



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