この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • 小
  • 中
  • 大
  • テキストサイズ
お向かいさんは僕の先生
第1章 人殺しの息子の恋
 小学校五年生の時、父親が交通刑務所に入った。
 峠道で無茶な追い越しをした挙句、カーブで対向車と正面衝突。父親は無事だったが、相手方の運転手の男性と助手席にいた男性が二人とも亡くなってしまった。
 この時期のことはいまも鮮明に覚えているが、正直書きたくない。一つだけ──事故を起こしたその夜、父親は一度自宅に帰ってきた。顔面蒼白なんてものではない。あれは幽霊だ。顔色は真っ白だった。うなだれたまま体は固まっており、どこか一点を見つめる目はそれこそ何か恐ろしいものを見ているようで、突然何かを吐き出すように「ガッ」と奇妙な声を出す。フサフサの髪の毛だけが妙にキラキラとしていた。それは粉々になったフロントガラスの小さな破片であった。
 一九八五年の冬のことである。僕の大好きな阪神タイガースが二十一年ぶりに優勝した年でもあった。
「亮、しばらく貴子おばさんの家に行ってくれるか? あんたもここにいるのは、嫌やろ」
 まだ裁判が続いていた頃、母親に言われた。
「わかった」
 転校することは別に構わなかった。
 父親の事故は地元のニュースで大々的に報じられたので、学校の友達や近所の人は皆知っていた。誰も口には出さなかったが、そう、僕は人殺しの子供だ。母親と離れて暮らすこともさほど寂しくなかった。一人っ子だったので、一人は慣れっこだ。
 それよりも事故の日以来、焦燥しきっている母親の傍にいることが申し訳なかった。何もしてあげられない自分は、ただの邪魔者のように思えていた。
 だから、一刻も早くこの家から離れたかった。
 貴子おばさんは、母親の妹である。
 まんまると太っていて、いつもニコニコしているおばさんだった。
 貴子おばさんは母親の実家に住んでいた。
 母親の実家には祖父母もいるので、正しくは田舎のおじいちゃんとおばあちゃんの家である。それでも「貴子おばさんの家」とつい言ってしまうのは、貴子おばさんの太陽のような明るい人柄が強烈すぎるからだ。
 僕は幼少の頃から夏休みや冬休みになると、貴子おばさんの家に行っていた。いや、預けられていたといっていい。夏休みは1か月以上、貴子おばさんの家に滞在していたほどだ。
 両親もまだ若かったので、ガキの面倒を見るよりも、自分たちの時間が欲しかったのだろう。思えば、両親と休日にどこかへ出かけた思い出も数えるほどしかない。
/6ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ