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素敵な笑顔
第2章 詩 生命の詩
 肩を叩かれた感触に、あたしは我にかえった。
振り返ると、美香ちゃんが目配せで、
帰りましょう、と伝えてきた。
あたしは頷き、そっとおばあちゃんの手を握った。
かさかさに干からびてしまったような小さな手。
心のなかで、心を込めて語りかける。
おばあちゃんの願いはあたしが絶対に叶えてあげる。
安心して、あたしに任せて。

 通じていれば手を握り返してくれるかも、
という淡い期待は叶わなかった。
美香ちゃんのうしろについて病室を出る。
背後にはお父さんの気配。
まあおじさんとしのぶさんは、
もう少し残っていると言う。

「前よりちょっと―― 
いやその、だいぶ、悪くなってるみたいだな」

 言葉を選んでいるのが分かる慎重な口調で、
お父さんは言った。

「うん」

 感情の読めない美香ちゃんの無表情な返事で、
空気は一層重くなる。
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