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素敵な笑顔
第2章 詩 生命の詩
 静かな空間。息が詰まりそう。
ベッドのそばには、いくつかの機械。
規則正しい電子音は、
どの機械から聞こえてくるのかわからない。
モニター、数字と波グラフ。
そういったたくさんの機械たちに、
おばあちゃんは繋がれている。
人造人間みたいに。
枕元の簡素なベッドネーム。
牧原久美子と書かれている。
おばあちゃんって、そんな名前だったんだと、
知ってはいたけど、
おばあちゃんとしか呼ばなかったので印象が薄い。
まきはらくみこ。
一文字ずつ、声には出さずにくちの中で呟いてみる。
もっとおばあちゃんのことを知っておけばよかった。
聞いておけばよかった。
もう今更、知りたいって思っても遅いのに。

 いくら呼び掛けたって、
おばあちゃんはもう返事をしてくれない。
目は薄く開いているけど、たぶんなにも見ていない。
微動だにしない。
酸素マスクの内側が曇っているので、
まだ息をして、生きているのだとわかって、
まだ生きている、と思ってしまったことに驚いて、
あたしは慌てておばあちゃんから目を逸らせた。
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