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『帰り花の夜に』~義母の静謐なる背徳
第4章 義息~超えてはいけない境界線(3)
静かな夜だった。

窓の外では遠い街の灯が霧のように溶け、虫の音さえ途切れ途切れにしか届かない。部屋の空気は熱を帯びて重く、二人の肌から立ちのぼる甘い匂いが濃い蜜のように漂っている。廊下を歩く足音は絨毯に吸われて消え、脱ぎ捨てた服を片手に抱え、裸のまま亮介に導かれるように美香は進んだ。薄明かりの中で、汗に濡れた互いの肌が初めてはっきりと浮かび上がる。白い肩、揺れる乳房、腿の内側に残る愛撫の跡。

部屋に入り、鍵が静かに回る。

「電気、消してくれる? 真っ暗にして……」

私の声は低く、熟れた女の余裕を含んでいた。スイッチが落ち、世界が闇に沈む。彼女は柔らかな布団の上にゆっくりと身を沈めた。仰向けになり、天井の位置さえ定かでない暗闇の中で、耳だけが鋭くなる。亮介の吐息、肌の擦れる音、自分の鼓動。

「お義母さん」

その呼び方が妙に甘く耳に残った。私は微笑みながら両手で彼の髪を梳くように撫で上げ、ゆっくりと自らの胸へと誘う。亮介の唇が耳元に触れ、軽い息が熱くかかる。次の瞬間、唇が重なった。互いの唾液をむさぼるように吸い合い、舌が濃密に絡み合う。すでに越えてはいけない線は遠く背後にあった。それでも、これから起こることに私の胸の奥で何かが静かに疼いた。

葉月の部屋はすぐ近くにある。薄い壁一枚隔てただけで、娘は今も静かに眠っているはずだ。その事実が、奇妙な興奮と、ほんの僅かな疼くような罪悪感を同時に呼び起こす。娘に知られてはいけない。でも、知られないからこそ、この夜はより深く、より淫らに沈んでいける——そんな矛盾した思いが、私の体の芯を熱くした。

「少し待って……見せて……うん、亮介くんのって、逞しいわね……ふふっ」

暗闇の中でも私は細い指先を彼の陰茎に絡ませ、ゆっくりと上下させた。焦らすように、ねっとりと。亮介は覆い被さり、貪るように私の体を舐め回し始めた。乳房に強く吸い付き、柔らかい肉を変形させるほどに揉みしだく。

(たまってるのね……)
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