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妻であること、女であること(仮
第7章 本当のこと
そう言うと、陶子さんは苦笑いをして見せた。

「何もなければいいですね」

「うん」

「これからどうしますか?
暴くのか様子をみるのか」

「暴くって…」

「携帯見るとか」  

「それは…できればしたくない」

ということは、様子を見るということだ。
陶子さんは、勘違いであって欲しいという願望が強いんだろう。

「あ、でも…
女の人が誰なのかはすごく知りたい」

「あーそれ、その気持ち無茶苦茶わかります。
俺、浮気された時その気持ちでした」

「いつから?
何してる人?
何歳で、どうして知り合ったの?
なんで何度もあってるの?
いーーーっぱい聞きたいことある」

陶子さんはそう捲し立て、更に続けた。

「でも知らない人って言われてそれ以上聞けなくて、すっごくモヤモヤして…、
友達に話を聞いてもらおうと思ったんだけど、その子に話したら家に乗り込んで来るかもって思って、まだ話せてないの。
本当になんでもないかも知れないから」

「ずいぶん元気なお友達ですね」

「そう。朝夏っていう名前なんだけど、
あ、ピアノの子のお母さんでね、
とにかく強気でズバッと言う子で。
私はいつも羨ましいなって思ってるの」

「そうなんですね。
じゃあ、どうしようもない時は、朝夏さんに頼むといいかもですね。
全て聞き出してくれそう」

そう言うと、陶子さんがクスッと笑った。
赤く腫れた目で。

「私…やっぱり認めたくないのかも。
浮気してないで欲しい。
女の人は、ただの知り合いとかであって欲しい」

本音だなと思った。
だから暴くこともカマをかけることもしないんだ。
波風立てず、また夫婦として…。

「嫉妬はしてるの」

「はい」

「私は、尚太とどこかに出かけるってほとんど無いから。
単純に、いいな…羨ましいな…って」
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