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真夏の熟果-裂けて堕ちた柘榴の赤い実
第2章 海水浴場
遠浅ということもあって、意外に沖まで泳いだつもりでも、

足が何とかつく、そんな深さの海。

でも、どこから深くなっているかはわかりません。


「凛花。その辺りで戻りましょう。深くなっていたら危ないわ」


と、私が言うと、


「わかったわ」


と、素直に答えて、戻ってきた凛花。


「ママ、向こうまで、競争しない?」


無邪気に話す凛花。

この間までの毛嫌いされているような物言いとは違う楽し気な雰囲気。

私も嬉しくなって、


「いいわよ」


と、若い凛花に勝てるはずもないけれど、承知して、

泳ぎ始めた凛花を追いかけるように泳ぎました。

波は静かで泳ぎやすい環境でした。

と言っても、凛花は先を泳いでいます。

その後ろをついていく感じで泳ぐ私。

距離は縮まりも広がりもしない感じでした。

意外に、スムーズに泳げている感覚がありました。

とはいえ、年齢は誤魔化せません。

徐々に疲れてきて、凛花との距離も広がり始めました。

競泳水着でもないビキニスタイルの水着でも泳げていたのは、

少し太ったことで、布地が身体にフィットしていたから。

本来、ビキニスタイルの水着は泳ぐには適していないはずなのです。

でも、凛花は、スイスイと泳いでいきます。

学校では、学校指定のスクール水着というか、

セパレートのジェンダーレス水着。


「こんなのを着て、泳げるわけない!」


そう言って、怒っていたのも、つい先日の話。

それが、ビキニスタイルの水着でスイスイと泳いでいる。

要は、気分ということかも…、などと思いながら、

私は何とか、離されながらも凛花の後を追いかけました。
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