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国選種付人物語
第1章 理沙さんと種付人
(本当に……国選種付人、なのね)
理沙の脳裏には、約10年前に制定されたこの法律が、当初の理念から少しずつ逸れていった経緯がぼんやりと浮かんだ。
少子高齢化の解決という大義のもと、最初は生殖能力だけでなく、品行方正な人物が選ばれていたはずだ。
しかし、効果が上がり、需要が高まるにつれて、その基準は甘くなり、今や、知性や品格などは問われず、単に「精力旺盛で、女を孕ませる能力に特化している」男が次々と選ばれているという噂も耳にしていた。
目の前の男は、まさにその象徴だった。
理沙にとって、川島のようなタイプの男は、今までの人生で関わったことのない人種だった。
はっきり言って、苦手だし、好きではない。
しかし、国選種付人の受け入れを拒否することはできない。
理沙は、証明書を再度、しっかりと確認し、それが本物であることを確認すると、重苦しい気持ちでゆっくりと頷いた。
「……どうぞ……」
そう言って、理沙は玄関のドアを開け、川島を招き入れた。
中に入ると、川島はリビングの様子を一瞥した。
整理整頓された落ち着いた雰囲気、控えめながらセンスの良い調度品。
事前に渡されていたプロフィール写真と相まって、理沙が「知的で家庭的な」、川島が最も好む人妻であることが確信に変わる。
(っしゃ! 今日は当たりだ! このところ、化粧も適当で、品のないババアばっかだったから、まじテンション上がるわー)
彼は内心でガッツポーズを取り、事務的にさっさと終わらせているいつものルーティンを、「たっぷり時間をかけて仕込んでやる」という、下心に満ちた目標へと切り替えた。
理沙の脳裏には、約10年前に制定されたこの法律が、当初の理念から少しずつ逸れていった経緯がぼんやりと浮かんだ。
少子高齢化の解決という大義のもと、最初は生殖能力だけでなく、品行方正な人物が選ばれていたはずだ。
しかし、効果が上がり、需要が高まるにつれて、その基準は甘くなり、今や、知性や品格などは問われず、単に「精力旺盛で、女を孕ませる能力に特化している」男が次々と選ばれているという噂も耳にしていた。
目の前の男は、まさにその象徴だった。
理沙にとって、川島のようなタイプの男は、今までの人生で関わったことのない人種だった。
はっきり言って、苦手だし、好きではない。
しかし、国選種付人の受け入れを拒否することはできない。
理沙は、証明書を再度、しっかりと確認し、それが本物であることを確認すると、重苦しい気持ちでゆっくりと頷いた。
「……どうぞ……」
そう言って、理沙は玄関のドアを開け、川島を招き入れた。
中に入ると、川島はリビングの様子を一瞥した。
整理整頓された落ち着いた雰囲気、控えめながらセンスの良い調度品。
事前に渡されていたプロフィール写真と相まって、理沙が「知的で家庭的な」、川島が最も好む人妻であることが確信に変わる。
(っしゃ! 今日は当たりだ! このところ、化粧も適当で、品のないババアばっかだったから、まじテンション上がるわー)
彼は内心でガッツポーズを取り、事務的にさっさと終わらせているいつものルーティンを、「たっぷり時間をかけて仕込んでやる」という、下心に満ちた目標へと切り替えた。

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