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国選種付人物語
第1章 理沙さんと種付人
身長は170センチの夫よりも頭一つ分ほど高く、Tシャツ越しにも分かる発達した胸筋と二の腕。
小麦色に日焼けした精悍な顔から、白い歯が覗く。
緩くウェーブのかかった派手な金髪。耳元にはピアスが光っている。
男特有の汗と香水の匂いが、理沙の鼻腔をダイレクトに衝いた。
彼こそが、林葉理沙(33)を「孕ませる」ために派遣された国選種付人――川島悠人(25)だった。
「……」
理沙の口から、すぐに言葉は出てこなかった。
目の前の男は、まさに「チャラい」という言葉がぴったりの若者だ。
金髪にピアス、そして軽薄な口調。
「国選種付人」という、国家によって選抜された者としては、あまりに意外な人物だった。
彼女の頭の中には、もっと生真面目で、事務的な雰囲気をまとった男性像があったからだ。
「うん?どうかしました? もしかして、俺に一目惚れしちゃいました?」
川島は全く悪びれる様子もなく、むしろ得意げにニッと笑ってみせた。
その軽薄な態度に、理沙は不快感を覚え、眉をひそめる。
「あ、いえ……ちょっと、想像してたのと違ったから……」
正直な感想が、拒絶のニュアンスを孕んだまま口をついて出てしまう。
「ああ、よく言われるんですよ。公務員には見えないって。でも、ちゃんとした公務員っすよ! ほら、これ」
川島はそう言って、胸ポケットから運転免許証のようなカードを取り出し、理沙の目の前に差し出した。
そこには、確かに「国選種付人証明書」と、彼の顔写真と名前が記載され、偽造を許さない公的機関のホログラムが、鈍く光っている。
小麦色に日焼けした精悍な顔から、白い歯が覗く。
緩くウェーブのかかった派手な金髪。耳元にはピアスが光っている。
男特有の汗と香水の匂いが、理沙の鼻腔をダイレクトに衝いた。
彼こそが、林葉理沙(33)を「孕ませる」ために派遣された国選種付人――川島悠人(25)だった。
「……」
理沙の口から、すぐに言葉は出てこなかった。
目の前の男は、まさに「チャラい」という言葉がぴったりの若者だ。
金髪にピアス、そして軽薄な口調。
「国選種付人」という、国家によって選抜された者としては、あまりに意外な人物だった。
彼女の頭の中には、もっと生真面目で、事務的な雰囲気をまとった男性像があったからだ。
「うん?どうかしました? もしかして、俺に一目惚れしちゃいました?」
川島は全く悪びれる様子もなく、むしろ得意げにニッと笑ってみせた。
その軽薄な態度に、理沙は不快感を覚え、眉をひそめる。
「あ、いえ……ちょっと、想像してたのと違ったから……」
正直な感想が、拒絶のニュアンスを孕んだまま口をついて出てしまう。
「ああ、よく言われるんですよ。公務員には見えないって。でも、ちゃんとした公務員っすよ! ほら、これ」
川島はそう言って、胸ポケットから運転免許証のようなカードを取り出し、理沙の目の前に差し出した。
そこには、確かに「国選種付人証明書」と、彼の顔写真と名前が記載され、偽造を許さない公的機関のホログラムが、鈍く光っている。

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