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開発された女教師〜純愛の果ての真の快楽〜
第2章 静かなる予兆
映画の中盤、スクリーンの激しいアクションに合わせて、シアター内には重低音の地響きのような音響が鳴り響いていた。

​七海はキリッとした二重の瞳を真っ直ぐ前方に向け、映画に集中しようと努めていたが、意識の半分は完全に隣の秋へと持っていかれていた。

暗闇の中、時折ストローを吸うかすかな音が隣から聞こえていたが、それもやがて途絶え、秋が小さく氷を鳴らす気配がした。どうやら、彼の飲み物は空になってしまったらしい。

​映画がさらに緊迫した静寂のシーンへと差し掛かった、その時だった。

​秋がシートの上でさりげなく身をよじり、大きな身体を七海の方へとわずかに傾けた。

​秋の長い手が、七海のドリンクホルダーに収まったままの、まだ半分以上残っているカップに伸びてきた。

​七海が驚きで息を呑む間もなく、秋はその大きな手で七海のカップを滑らかに持ち上げた。

そして、いつもの穏やかな迷いのない所作で、七海が口をつけたばかりのストローをそのまま自分の唇へと運んだ。

​ほんの数口、七海の飲み物を自然に喉へと流し込むと、秋はまた何事もなかったかのようにカップを元の位置へと戻した。

指先が、ドリンクホルダーの縁で七海の手の甲に一瞬だけ、かすりそうになる。

​間接キス、なんていう青臭い言葉が、七海の脳内を爆発的な熱量で駆け巡る。

いつもなら「ちょっと、何やってんのよ」とサバサバと一蹴できるはずの自分なのに、今のこの暗闇の中では、声一つ出すことができない。

最低限のメイクしかしていないはずの白い頬が、映画のどんな爆破シーンよりも熱く、真っ赤に火照っていくのが自分でも分かった。

​秋は何の悪びれる様子もなく、ただ映画の展開を追いかけているように見える。

しかし、その徹底した「さりげなさ」と、許可も取らずに自分の領域に踏み込んできたイニシアチブの前に、七海の凛とした理性は、完全に言葉を失って融解しかけていた。
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