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開発された女教師〜純愛の果ての真の快楽〜
第2章 静かなる予兆
​秋が振り返った。

長身から、いつもの涼しげな目元で七海を見下ろした瞬間、その端正な塩顔がふわりと優しく綻んだ。

​「橘先生、お疲れ様です。今日の私服もシンプルで格好いいですね。」

「そう? 動きやすさ重視だから。お世辞はいらないよ」

​いつも通り、あえて女性らしさを前面に出さない無地でシンプルなコーディネート。メイクも最低限。

それでも、彼女の目力のある印象的な二重の瞳と、キリッとした美しい顔立ちは、シンプルな服だからこそかえって引き立っていた。

七海はサバサバとした調子で返そうとしたものの、彼の真っ直ぐな眼差しに、胸の奥が微かに熱くなるのを隠せなかった。

​「お世辞なんて言いませんよ。じゃあ、チケットはもう買ってあるので、中に入りましょう。売店で何か買いますか?」

​秋はスマートにエスコートしながら、七海の少し後ろから歩調を合わせてくれる。

案内されたシアターの扉をくぐると、そこにはすでに薄暗い、外界から遮断された空間が広がっていた。

​プレミアムシートの後方に並んだ二人の席。

腰を下ろすと、映画館独特の深いシートのせいで、二人の物理的な距離は街を歩いていた時よりも格段に近くなった。

​不意に館内の照明が完全に落とされ、大音響とともにスクリーンに本編の映像が映し出される。

暗闇に包まれた瞬間、七海の五感は、映画の音響よりも、隣に座る秋の存在に完全に集中してしまった。

​シートの肘置きに置かれた秋の長い指先が、ほんの数センチの距離にある。

​いつもならキリッと周囲を威圧するはずの七海の強い瞳も、この濃密な暗闇と至近距離の熱量には、じわじわと防戦一方に追い込まれていく。

七海の心臓は、映画の重低音にかき消されるようにして、激しく脈打っていた。
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