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開発された女教師〜純愛の果ての真の快楽〜
第2章 静かなる予兆
見上げると、長身の秋が、30センチの身長差を見下ろすようにして七海の目の前に立っていた。

​「橘先生、一日目お疲れ様です。……あ、もしよかったら、ライン交換しませんか?」 ​

不意の提案に、七海は少し目を丸くした。

「え? ラインですか?」

「うん。僕たち、来週からの施設内の清掃班が一緒みたいなんですよ。清掃場所の調整とかでやり取りする可能性があるから、一応教えてもらえたらなと思って」 ​

秋はスマホの画面を掲げながら、少し困ったような、人当たりのいい苦笑いを浮かべている。

普段の七海であれば、職場の人間関係に私情を持ち込むのを嫌い、サバサバと断るか適当にはぐらかすところだった。

しかし、昨夜の懇親会で見せた彼の無邪気な可愛らしさや、その誠実そうな雰囲気が頭をよぎる。

不思議と悪い気はしなかった。 ​

「……そうですね。班が一緒なら必要になりますよね。いいですよ」

​七海はポーカーフェイスを保ったままスマホを取り出し、彼と QR コードを読み合わせる。

画面に『本庄 秋』のアカウントが表示され、友達追加のボタンを押した。 ​

「ありがとうございます。これで清掃の時も安心です。じゃあ、また明日」

​秋は優しく微笑んで小さく手を振ると、長身を翻して部屋を出て行った。

自分のスマホに残った、彼の名前。

七海はそれを見つめながら、胸の奥が小さく疼くのを感じていた。
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