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想いあふれて
第5章 耳元でささやく声、心溶かす響き
もう二度と会えないと思っていた彼からの、思いがけない手紙を受け取ったとき、胸に温かいものが広がるのを感じた。
行きずりのラブアフェアは、熱い夜であればあるほど、後味が冷たい───
という話を、どこかの誰かがしていたのを聞いたことがある。
りつかも、紫苑が黙ってベッドから消えて以来、日を追うごとに心が冷え冷えしていく感覚に襲われ、信忠と関係を結んでしまうほどに心が乱れた。
それもひとえに、紫苑との一夜限りの恋の経験を味わい、自分の胸に寂しさという感情が巣食っていたことを知ってしまったからだと、りつかは思う。
そう考えると、紫苑との出会いは、言ってしまえば “忘れたい過去” とラベリングされた記憶の引き出しにしまい込まれる類のものだった。
けれども、紫苑から届いた手紙の文面はとても丁寧で、
控えめで、感じがよく、それでいて親密だった。
行きずりのラブアフェアは、熱い夜であればあるほど、後味が冷たい───
という話を、どこかの誰かがしていたのを聞いたことがある。
りつかも、紫苑が黙ってベッドから消えて以来、日を追うごとに心が冷え冷えしていく感覚に襲われ、信忠と関係を結んでしまうほどに心が乱れた。
それもひとえに、紫苑との一夜限りの恋の経験を味わい、自分の胸に寂しさという感情が巣食っていたことを知ってしまったからだと、りつかは思う。
そう考えると、紫苑との出会いは、言ってしまえば “忘れたい過去” とラベリングされた記憶の引き出しにしまい込まれる類のものだった。
けれども、紫苑から届いた手紙の文面はとても丁寧で、
控えめで、感じがよく、それでいて親密だった。

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