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想いあふれて
第5章 耳元でささやく声、心溶かす響き
休業日の夜、りつかはあるライブバーを目指して、都内の繁華街の裏通りを歩いていた。

体のラインを拾わないミドルゲージの黒のノースリーブニットに、ベージュのワイドシルエットのスラックス。
ライブハウスの暗い照明の中でも映えるように、控えめな細いゴールドのブレスレットとピアスを添えた。

ローヒールの踵がアスファルトでリズムを刻む音が、少し懐かしい。
髪をなびかせる久しぶりの東京の夜風も、そう悪くはなかった。



落ち着いた雰囲気の地下の店。

その入り口に繋がる階段を降りながら、紫苑からカサブランカに送られてきたライブの招待券を、クラッチバッグから取り出した。




紫苑がカサブランカに来てから、三週間がたっている。
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