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あなたの一番になりたいのに
第1章 【こんなにも好きなのに】
「やっぱり、この色の方があなたには似合うと思う」
はい、とその口紅まで渡された
頭の中真っ白になって固まる私を見た彼女は
顎クイまでしてきて息を呑んだ
「可愛い」とか初めて言われたし
そんなに見つめられたら女でも堕ちちゃいますって
「私のところで働いてみない?」とスカウト
されるがまま手伝う事に
でもやるからにはって結構頑張って
基礎も知識も必要な分は取得した
カンナさんの右腕…とまではまだいかないけど
社員としてお役には立てているはず
そうだと良いな
そして、カンナさんの隣にはいつも助手が居る……
助手というか、秘書というか
絶対に真似出来ない完璧な仕事ぶりで
彼女こそがカンナさんの右腕なんだろう
彼女の名はサツキさん
カンナさんのサツキさんを見る目が
他の人と違うって感じるのは思い過ごしかな
だからカンナさんの手がサツキさんに
触れているだけで胸の奥がチクチクする
誰にでも優しい、頼りになる、決断が早い
全ての沼要素を持ち合わせているのがカンナさんだ
独り占め出来るなんて滅多にない
近くで働けるだけで幸せなんだって思ってた
遠くからでも見る事が出来たらラッキー……
そんな存在だった
それだけで満足してたのに
少しだけ残業してたら、
誰も残っていないオフィスにヒールの音がして、
段々と近付いてきて私の残る席までやって来た
突然髪を撫でられて顔を上げると
完璧過ぎるビジュのカンナさんが居て
「これ以上残ってるとキスしちゃうよ?」って
言ってきたの
私、訳わかんなくてテンパってたら
「うちは残業ゼロの会社だよ?」と顎クイされて
瞬き出来ずに見つめ合っていたら……
「ヤバ、本当に可愛いね、女の人とキスした事ある?」
「へ…?いえ、ない…です」
「ふーん、してみる?」
「え…?」
「ほら、上書き保存して、今日はもう終わり」
あ……パソコン、閉じられちゃった
マウスの上で重なる手
ドキドキして目見れないのに
「ミオ、こっち見て」って初めて名前で呼ばれた

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