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影を背負った愛~足りない愛を、君に
第27章 父の日の前夜 ~夢の余韻(start-2day)~彩香編②
健治さんは静かに頷いた。

「その通りです。私は過去に大きな過ちを犯しました。家庭を築くことができなかった。
だからこそ、今は彩香を絶対に不幸にはしません。
彼女の甘えたい気持ちも、怖がる気持ちも、すべて受け止めます。
経済的な面も、彩香が望む限り私が責任を持ちます。
結婚の話が出れば、いつでも正式に進めたいと思っています」

彩香の頰が赤くなった。

「け、結婚……?」

健治さんは彩香の細い肩に大きな手を置き、優しく撫でた。

「彩香がその気なら、いつでも」

美和子は複雑な表情のまま、二人を見ていた。
娘が健治さんの厚い胸板に寄りかかるように座っている様子、
健治さんが自然と彩香の腰に手を回している仕草


——1年半前よりさらに深く結びついているのが見て取れた。


「……彩香が自分で選んだ道なら、私は反対しません。
ただ、大内さん。彩香を泣かせるようなことがあれば、母として許しません。
あなたが過去に後悔したことを、今度こそ繰り返さないでください」

健治さんは再び深く頭を下げた。

「肝に銘じます。彩香を幸せにすると誓います」

その後、彩香が作った手料理を囲み、少しずつ会話が和らいだ。

美和子は健治さんの真面目で責任感のある部分を認めつつも、
娘を「守ってほしい」という気持ちと「依存しすぎないで」という心配が交錯していた。



夕方、帰り際。

美和子は玄関で二人を見送りながら、彩香に小声で言った。

「彩香……本当にいいの?」

彩香は健治さんの逞しい腕に自分の腕を絡め、満面の笑みで答えた。

「うん。母さん、ありがとう。私、健治さんと一緒にいるのが一番幸せ」

健治さんは彩香の頭を優しく撫で、母に一礼した。

「また伺います。中山さん」

車で実家を後にする道中、彩香は助手席から健治さんの太ももに手を置き、
甘えるように言った。

「健治さん……今日、かっこよかったです」

「ああ。お前が喜んでくれたならよかった」

健治さんの鋭い眼差しが柔らかくなり、彩香の手を強く握り返した。


実家訪問を経て、二人の関係はさらに深く、しかし重く結びついていった。
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