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影を背負った愛~足りない愛を、君に
第27章 父の日の前夜 ~夢の余韻(start-2day)~彩香編②
神奈川に戻ってから二ヶ月半後。

美奈子から「久しぶりに三人で会わない?」というLINEが来た。
彩香は少し迷ったが、健治さんに「友達とカフェに行く」と報告し、許可をもらって
(正確には「誰とどこで何時に帰るか全部教えて」と条件付きで)
出かけた。



近所の落ち着いたカフェの個室風テーブル。
彩香の向かいには幼馴染の美奈子と、元同僚の恵美が座っていた。

美奈子が先に切り出した。

「彩香、元気だった? ……って、顔見れば元気そうなんだけどさ」

彩香は黒縁メガネの奥で目を細めて微笑んだ。

「うん。すごく元気だよ。最近は毎日が幸せで」

美奈子がフォークでケーキを突きながら、遠回しに聞いた。

「大内さんとまた一緒に住んでるんだよね?
しかも今度は彩香が仕事辞めて神奈川に戻ってきたって聞いたけど……本当?」

彩香は素直に頷いた。

「本当。……大阪で一度離れてみて、すごく寂しかったの。健治さんじゃなきゃダメだって、改めてわかったから。自分から仕事を辞めて、神奈川で一緒に暮らすことにしたの」

美奈子が身を乗り出した。表情は心配そのものだった。

「彩香、正直に言ってくれる?
前、泣きながら『重くて怖い』『独占欲が強くて息が詰まる』って相談してたよね?
逃げたときも『もう無理』みたいな感じだったのに……今はどうなの?」

彩香はカップを両手で包み込み、少し考えるような仕草をしたあと、静かに答えた。

「……怖い部分は今もあるよ。
外出するときは『誰と話した?』って必ず聞かれるし、
他の男性と目が合っただけで腕を強く握られる。
家でも、私が少し遅くなると心配して何度も連絡くれるし……」

恵美が眉を寄せた。

「それ、束縛じゃん……。彩香、まだ若いのに、そんな生活で大丈夫なの?」
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