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影を背負った愛~足りない愛を、君に
第27章 父の日の前夜 ~夢の余韻(start-2day)~彩香編②
美奈子はため息をついた。

「心配だよ。彩香、仕事も辞めて神奈川に戻っちゃったって聞いたときから
気になってたけど……あんなにベタベタで、健治さんに全部預けてる感じ。
『誰と話した?』とか聞かれて報告してるみたいに見えるんだけど……束縛されてない?」

恵美が少し声を潜めて言った。

「でも彩香、すっごく幸せそう。目がキラキラしてる。
前職の頃は地味で控えめだったのに、
今はなんか……女性として満たされてる感じがする。
大内さんも、彩香のこと本当に大事にしてるみたい。目が離せないって感じ」

二人が見ていると、健治さんが彩香の額に軽くキスをし、
立ち上がってトレイを片付け始めた。

彩香は健治さんの腕に自分の腕を絡め、
離れられないようにくっついて一緒にレジに向かう。

美奈子はスマホを握りしめながら言った。

「LINEで『元気?』って送ってみようかな……。
彩香が本当に幸せならいいけど、万一息苦しくなったらすぐ言ってね、
ってもう一回伝えないと」

恵美は苦笑した。

「年上の彼氏って甘いけど危ないよね。特に大内さんみたいな、
課長で貫禄あるタイプは……一度独占欲に火がついたら簡単には離してくれなさそう」

カフェを出た彩香と健治は、腕を組んでゆっくりとマンション方面へ歩いていった。
彩香の小さな体が、健治さんの逞しい体躯にぴったりと寄り添っている。


残された二人の友人は、しばらく無言で見送ったあと、ため息を同時に吐いた。

美奈子
「……とりあえず、彩香が笑ってるならよし、とするか。でも定期的に連絡取ろうね」

恵美
「……うん。なんか、ドラマみたい」

近所のカフェで偶然目撃した二人の姿は、友人たちに強い印象を残した。
彩香が自ら選んだ、甘く重い愛の形

——それを、彼女たちはまだ完全には理解できずにいた。
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