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影を背負った愛~足りない愛を、君に
第27章 父の日の前夜 ~夢の余韻(start-2day)~彩香編②
神奈川に戻ってから2ヶ月が経ったある土曜の午後

彩香と健治は、マンションから徒歩10分ほどの落ち着いた雰囲気の近所のカフェにいた。
窓際の席で、健治さんはいつものように彩香を自分のすぐ隣に座らせ、
大きな手で彼女の肩を抱いていた。

彩香は健治さんの厚い胸板に軽く寄りかかり、幸せそうにカフェラテを飲んでいる。
健治さんの指が、彩香の細い腰を時折優しく、しかし確実に撫でる。
彩香が少しでも体を離そうとすると、
低い声で「寒くないか?」と聞きながらすぐに引き寄せる。

その仕草は周囲から見れば、明らかに年齢差のある男女の濃密な関係を物語っていた。

その様子を、ガラス越しに偶然見つけたのは彩香の友人たちだった。

美奈子(高校時代からの友達)と、以前の神奈川支店時代の同期・恵美の二人。

二人は近くのショッピングモール帰りでこのカフェに立ち寄ろうとしていた。

「え……あれ、彩香じゃない……?」

美奈子が声を低くして指差した。恵美も目を丸くした。

「本当だ……隣の男性が大内課長……? うわ、めっちゃくっついてる……」

二人は慌ててカフェの外の植え込みの陰に隠れ、様子を窺った。

彩香は健治さんの肩に頭を預け、笑顔で何か話している。

健治さんは口ひげを少し動かして優しく微笑み、
彩香の黒縁メガネを直してあげたり、髪を耳にかけてあげたりと、
細やかな世話を焼いている。


彩香がスマホを見ようとすると、健治さんが自然と自分の胸ポケットに彼女の手を導き、「俺が見てやる」と囁いているように見えた。

美奈子が呆然と呟いた。
「……前は『重くて怖い』って泣いて逃げてたよね?
大阪で別々に暮らしてた時期もあったのに……今、あんなに甘えてる。
完全に懐いてるじゃん」

恵美も頷きながら、複雑な表情になった。

「大内課長、48歳だよね? 彩香より20歳も上……
でも、確かに渋くて男らしいっていうか、安定感すごい。
彩香がファザコンだって聞いてたけど、まさかここまで……」
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