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キモおじ ~もう一つのエロ本を拾っただけなのに~
第2章 《届いた招待状》
優香は、最後に残された厚手のカードを手に取った。
それは、銀色の箔押しがされた、結婚式の招待状のような美しいカードだった。
開くと、そこには短いメッセージが記されていた。
『高校卒業、おめでとう。
少し遅れてしまったけれど、君の18歳の誕生日と、卒業のお祝いをしよう。
君が本当の大人になるための、特別な儀式の準備をして待っているよ。
3月10日 午後6時
シルバー・レジデンス 905号室にて』
3月10日。それは、まさに優香の高校の卒業式が執り行われる当日の日付だった。
優香は、その部屋番号を見て絶望に打ちひしがれた。
905号室。
あの日、あの男がエレベーターに乗り込み、消えていった階の部屋。
『君が来てくれると信じているよ。
もし、どうしても都合が悪くて来られないなら、仕方ないね。
その時は、僕から直接、君のご両親に挨拶に行かせてもらうよ。
もちろん、このアルバムをすべて持参してね』
「あぁ……あぁぁぁ……っ」
優香はベッドに突っ伏し、声を殺して泣いた。
選択肢など、最初からなかったのだ。
行くしかない。あのおぞましい男の待つ、あの部屋へ。
3ヶ月前、彼の正体を知って激しく嘔吐した。あんな男に触られるくらいなら死んだ方がマシだと本気で思った。
けれど、優香には自分の人生を終わらせる勇気も、すべてを親に打ち明ける勇気もなかった。
(行くしかない……私の人生を守るためには、行くしかないんだ……)
行くのは1度だけ。卒業のお祝いと言っているのだから、1回だけ我慢すれば、写真も手紙も返してくれて、解放してくれるかもしれない。
そう自分に言い聞かせるしかなかった。
それが、あまりにも甘く、愚かな考えであることに目を背けながら。
優香は、涙でぐしゃぐしゃになった招待状を握りしめた。
週末の卒業式。
それは優香にとって、希望に満ちた未来への門出ではなく、後戻りできない地獄への入り口へと変わってしまったのだった。
それは、銀色の箔押しがされた、結婚式の招待状のような美しいカードだった。
開くと、そこには短いメッセージが記されていた。
『高校卒業、おめでとう。
少し遅れてしまったけれど、君の18歳の誕生日と、卒業のお祝いをしよう。
君が本当の大人になるための、特別な儀式の準備をして待っているよ。
3月10日 午後6時
シルバー・レジデンス 905号室にて』
3月10日。それは、まさに優香の高校の卒業式が執り行われる当日の日付だった。
優香は、その部屋番号を見て絶望に打ちひしがれた。
905号室。
あの日、あの男がエレベーターに乗り込み、消えていった階の部屋。
『君が来てくれると信じているよ。
もし、どうしても都合が悪くて来られないなら、仕方ないね。
その時は、僕から直接、君のご両親に挨拶に行かせてもらうよ。
もちろん、このアルバムをすべて持参してね』
「あぁ……あぁぁぁ……っ」
優香はベッドに突っ伏し、声を殺して泣いた。
選択肢など、最初からなかったのだ。
行くしかない。あのおぞましい男の待つ、あの部屋へ。
3ヶ月前、彼の正体を知って激しく嘔吐した。あんな男に触られるくらいなら死んだ方がマシだと本気で思った。
けれど、優香には自分の人生を終わらせる勇気も、すべてを親に打ち明ける勇気もなかった。
(行くしかない……私の人生を守るためには、行くしかないんだ……)
行くのは1度だけ。卒業のお祝いと言っているのだから、1回だけ我慢すれば、写真も手紙も返してくれて、解放してくれるかもしれない。
そう自分に言い聞かせるしかなかった。
それが、あまりにも甘く、愚かな考えであることに目を背けながら。
優香は、涙でぐしゃぐしゃになった招待状を握りしめた。
週末の卒業式。
それは優香にとって、希望に満ちた未来への門出ではなく、後戻りできない地獄への入り口へと変わってしまったのだった。

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