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愛と犠牲の果て~人妻を堕とす愛人契約~
第73章 違うオスを求める人妻
やがて、意を決したように澪はゆっくりと顔を上げた。その目には、涙の膜が張っている。彼女は弱々しく、しかし明確に、織部の方へと視線を固定した。
「……織部、さん……。私は……織部さんを、選びます……っ」
かすれた、震える声が静寂を破った。
その意外な選択に、部屋の空気が一変する。神楽坂はカメラを向けたまま、面白くてたまらないといった風に眉を跳ね上げた。
「ほう……! 真壁くんではなく、織部くんだね。それは非常に興味深い選択だ。宇佐美くんや真壁くんに見せたあの情熱的な姿からすれば、てっきりまた真壁くんの猛々しい肉体に貪られたいのかと思ったのだが。澪くん、なぜあえて織部くんを選んだんだい? その明確な理由を、ぜひこのカメラの前で詳しく聞かせてほしいな」
ゲームの進行役として、神楽坂は澪の心理をさらに暴こうと、ねっとりとした口調で理由を問い詰めてきた。
澪は織部から視線を外さず、縋るような、そして怯えるような複雑な表情を作り上げると、涙を微かにこぼしながら答えた。
「真壁さんは……あまりに強すぎて……激しすぎて……。このままあの方に抱かれ続けたら、私……本当に、頭も身体も、何もかも壊されてしまいます……っ。織部さんなら……きっと、私を優しく……あの強引な真壁さんから、いたわるように助け出してくれるって……そう、信じたいから……っ」
その言葉は、男たちの歪んだ自尊心を絶妙に刺激する、完璧な演技による建前だった。
澪のその衝撃的な告白と選択を耳にした瞬間、それまであっけにとられていた真壁が、ついに無言ではいられなくなり、激昂して声を荒らげた。さっきまで完全に自分に陶酔し、快感に狂っていたはずの澪が、こともあろうに宿敵である織部を選んだという事実が、彼の男としてのプライドを激しく掻き乱したのだ。
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