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愛と犠牲の果て~人妻を堕とす愛人契約~
第65章 人妻の艶肉の恐るべき魔性、夫を猜疑に狂わす
(なんなんだ、これは……!)
夫としての、一人の男としての嫉妬が、一瞬にして極限へと達する。 この唾液を直接与えるという行為は、雄一にとって、自分以外の男にするにはあまりにも卑猥すぎるものだった。肉体を重ねること以上に、互いの口腔の分泌物を交わし合うその姿は、雄一には直接的なキスと同等のようにも思え、どうしても許しがたい行為として胸に突き刺さる。今は我慢してキスはしないと言われながら、その実、キス以上に濃厚で背徳的な繋がりを他の男に共有させたその事実に、雄一の脳髄は焼き尽くされそうになっていた。
二人の間でネバつく唾液の糸が照明にきらめくその瞬間、澪が真壁の欲望に完全に染まり、その行為そのものを心の底から愉しんでしまっているのではないかという、底なしの猜疑心が頭をもたげる。
別れ際に彼女が残した「私を信じて」というあの言葉。その確かなはずだった信頼の土台が、画面に映し出される卑猥極まる視覚的証明の前で、ミシミシと音を立てて崩れかけていく。これほど高熱に蕩けた表情で、男の変態的な欲求を完璧に受け入れて満たしている姿は、本当にただの演技なのか。心まであの若者に屈服してしまっているのではないか。黒くドス黒い疑念が、雄一の胸の奥で暴れ狂う。
強烈な精神的打撃と、男としての耐え難い屈辱に目眩を覚えながら、雄一は爪が手のひらに食い込み、血がにじみ出るほどに強く、強く拳を握りしめた。スマートフォンの画面を凝視するその瞳からは涙がこぼれ落ちそうになる。
(いや、違う……信じるんだ。俺が澪を疑ってどうする……!)
感情の嵐に呑まれ、ここで彼女への信頼を手放してしまえば、澪が命をかけて繋ごうとしている細い糸が完全に切れてしまう。どれほど網膜に焼き付く映像が陵辱的であり、夫としての嫉妬の極みであろうとも、これは彼女の過酷な戦いの一部なのだと、崩れそうな理性を必死にかき集めて自分に言い聞かせ、雄一は画面の中の妻を信じようと己を鼓舞していた。

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