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はだかの淳子
第2章 性徴期
一生懸命練習してると、そんなことは考えへんのやけど。専門学校時代も、先生だけやなく、男の子とも練習してた。誰かを意識なんか、全然なかった。

「あとな、ここは押さえときや」
Y君、さっきまでとおんなじ感じであたしの腕、掴んだ。あたし、ちょっとビクッてなった。

「右麻痺の設定やからな」
「…うん」
車椅子に乗せる練習。Y君がモデルであたしが介助する側。上半身が密着するから、Y君の匂いがあたしにまとわりつく。

「あ、ごめん!」
「いや、そっちは大丈夫?」
Y君を動かすとき、ちょっと力加減、間違えた。もうちょっとで、ほんまやったら、事故になるとこやった。

「代わって、やって見よか?」
失敗して落ち込んでると思ったんか、Y君の言葉がいつもよりずっと優しかった。わからへんけど、なんか涙出てきた。

あたしの涙にびっくりしたんか、Y君ちょっとオドオドしてた。ほんの少しだけ、あたし泣いてた。そして深呼吸して、涙を拭いた。そのあいだ、Y君は黙ってあたしの肩に手を添えてた。
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