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SAKURA(さくら)
第1章 しだれ桜
 10

「……ん………」

 弥生さんの左脚が、小さく震え…

「…………」

 絡まっていた指先が、スッと外れた。

 だけど、俺の指先は、離せない―――

 ゆっくりと、さかのぼり…

 ほつれの、境目に、辿り着く。

「…………」

 見つめてくる目が、濡れている…

「…………」
 俺も、逸らさない。


 この、ほつれの先は…

 弥生さんの…

『ゼロ…じゃない……』

 しだれる情愛―――


「…………」

 弥生さんの、目が揺らぎ…

「……っ…」

 スッと、カウンターに伸びて…

「…………」

 俺のスマホを、手に取り…

「……ぇ…」

 スマホの電源を、切った―――

「…………」

 コトリ――

 その、スマホを置いた音は…
 
 弥生さんの、心を押した音。


 そして…

 逸らずに、見つめてくる、その目には…

「……いい………よ…ね………」

 ほつれの先への、導き…

 もう、揺らがない、想いの顕れ…

 そして…

 委ね―――


「…………」
 
 俺は…

 逸らずに、見つめ返し…

 頷く―――
 

 さかのぼる、指の動きを止め…

 膝の上の、弥生さんの手を握り…

「…………」

 弥生さんへの…

 男としての、求める想いを、目に込める。


「……ぜ、ゼロ…な……」

「……え………」

「……ぜ、ゼロ……な、なんかじゃ………」

「………」

「…ぜ、ゼロなんか…じゃ…ないっすからっ」

「………え、あ……」
 
 俺は…

「け、慶太…くん………」

 握った手を引き、立ち上がる―――


 しだれ桜は…

 触れた瞬間から…

 散ってしまう……

「ま、まだ……っすよ………」
 
 まだ、散らさない……

「…………」

「まだっす……からっ………」

 まだ、これから…

 三分咲きだから―――



 
 
 
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