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2026人質交換を託された女 (下巻)
第3章 報告書
***
里紗の自宅。
同じ部屋だが、空気だけが普段と異なっていた。
真っ黒の部屋着ではなく、キャミソールの上にカーディガンを羽織っている。生地は柔らかく、肌に触れる。ソファに深く腰を下ろし、体を預けるように座っていたが、その両腕は自然と前に伸び、クッションを抱きしめていた。力を入れているつもりはないのに、指先だけがクッションの布に沈んでいる。
正面のソファには、2人の女性が並んで座っている。
1人はスーツ姿の捜査員だった。ジャケットは脱がれ、背もたれに軽く掛けられている。もう一人は、淡いベージュ系の服を着たカウンセラーで、姿勢は崩さず、だが硬さは感じさせないまま座っている。両手は膝の上で静かに重ねられ、視線は里紗に向けられていた。
部屋は静かだった。
外の音は、ほとんど入らない。3人の呼吸だけが、重なっている。
里紗は一度だけ視線を上げる。2人の位置を確かめるように見て、そのままカウンセラーと焦点が合う。唇が言葉を探すように、ほんの少し動き、そこで止まる。
「……カウンセラーさんと話したいです……2人だけで」
里紗の自宅。
同じ部屋だが、空気だけが普段と異なっていた。
真っ黒の部屋着ではなく、キャミソールの上にカーディガンを羽織っている。生地は柔らかく、肌に触れる。ソファに深く腰を下ろし、体を預けるように座っていたが、その両腕は自然と前に伸び、クッションを抱きしめていた。力を入れているつもりはないのに、指先だけがクッションの布に沈んでいる。
正面のソファには、2人の女性が並んで座っている。
1人はスーツ姿の捜査員だった。ジャケットは脱がれ、背もたれに軽く掛けられている。もう一人は、淡いベージュ系の服を着たカウンセラーで、姿勢は崩さず、だが硬さは感じさせないまま座っている。両手は膝の上で静かに重ねられ、視線は里紗に向けられていた。
部屋は静かだった。
外の音は、ほとんど入らない。3人の呼吸だけが、重なっている。
里紗は一度だけ視線を上げる。2人の位置を確かめるように見て、そのままカウンセラーと焦点が合う。唇が言葉を探すように、ほんの少し動き、そこで止まる。
「……カウンセラーさんと話したいです……2人だけで」

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