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蜜会…五月雨
第4章 五月雨(さみだれ)
 4

「あん、や、ん………」

 わたしは、浴室の壁に強く押し付けられ…

 唇から逃げようと、首を振る。

「……………」

「ん、あ、あな…た…ぁ………」

 だが、その見つめてくる、冷たい目に…

 心がすくみ…

「い……や……じゃ…ないだろう………」

 その言葉に…

 唇を受けてしまった。

「ぁ……うぅ…………」

 割り込んでくる舌先に…

「………………」

 吐き気が、こみ上げてしまう。

「んんっ………ん………」

 そして、フレアスカートの隙間から、手が侵入り…
 指が、迷いなく上がってくる。

「ほぉ…パンスト…じゃ…ないんだ……」

「あ…や…ち、ちが……ぅ………」

 だが、唇を塞がれてしまう…

 首を振り、腰をくねらせ…

「んっ………」

 だが、もう、隠せなかった。

「ふうぅ……」

 そして、その勢いのままに……

「あうっ………」

 本当に、逃げたかった……

 だが、必死に抗い、身を捩っていた時…

 ふと…

 さっき、浮かんだ、あの、リビングテーブル上の…
 白く、細長い紙か…

 映像の如くに流れてきた。

 そう…

 あれは、確か…

 さっき、彼と忍んだホテルのレストランのレシート…

 象徴的な、そのホテルのマークが載っていた。

『うん、食事は済ませてきた…』

 それは…
 
 その瞬間…

 全ての力が抜け落ちてしまい…

 わたしは…

「あぁ…………」

 膝から、崩れ落ちてしまった―――

「……………」

「……美春……キレイだよ……」

 夫は、そう見下ろしながら…

 捲れたスカートの奥を見つめ…

「こんなキレイな美春の姿は…
 私は……初めて見るかなぁ……」

 そして…

 カチャカチャ―――

 自ら、ベルトを、ゆっくり外してくる。

「………ぁぁ………」

 わたしは、力なくしゃがみ込み、夫を見上げる…

 だが…

「ぁぁ……」

 不思議な…

 想い…

 いや…

 何か…が、少し、変わってきていた―――
 


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