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闇夜を彩るアラベスク
第3章 ふたご座の男
「あんた誰よぉ!」
完全に出来上がってしまい、呂律の回らない口調で智子は涼子を睨み付けた。
「私?私は章介の彼女ですけど」
さっさと帰りなさいと言わんばかりに、涼子は章介の隣に腰かけた。
智子と涼子に挟みつけられたような感じで章介はなんとも居心地が悪い。
「はん!?章介の彼女ぉ?
残念でした、彼女は私の方よあんたは遊ばれてるのよ
さっさと消え失せろ!バァ~カ!!」
この場をどう収めればいいのか、章介は冷や汗をかきはじめた。
「章介!いったいどういうことよ!あんたもしかして二股かけていたわけ?」
「二股というか、なんと言うか…」
実際は四股なんだよとは口が裂けても言えなかった。
「別にあんたが二股していようが関係ないわ
私が本命だということを、あんたの体に染み込ませてあげる」
そんな酔っぱらいは放っておいて、さっさとラブホテルに行きましょうよと、涼子は章介の腕を取って立ち上がらせた。
「何よ!人の彼氏を横取りする気?」
フラフラになりながらも智子も負けじと章介のもう片方の腕を取る。
「ほらほら、ここで騒ぐのはお店に迷惑をかけるからさぁ…
とりあえず店を出ないか?」
そう言って章介は両手に花ならぬ、まるで警官に連行される犯人のように両脇を女に抱えられて店を出た。

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