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蝶恋乱舞~禁断の策略愛に溺れて
第5章 熱田での再会
明智十兵衛光秀は、美濃国主・斎藤道三の遣いとして、帰蝶との面談を許された。

那古野城内の帰蝶の居室に通され、閉じた障子にむかって平伏して対面を待ちながら、かつての帰蝶に想いを馳せている。


五年前に稲葉山城に戻ったときの帰蝶は、夫・頼充との突然の死別に憔悴しきっていた。
光秀に会うや夫の仇を討とうと短刀を振りかざしたときの、帰蝶の憎しみの眼差しは、今も忘れることができない。

握った刀を振り落とそうとつかんだ手首のか細さと激しい震えの記憶は、今も光秀の心をきつく締め上げる。

なのに、同じ日の夜、帰蝶は光秀のもとにやってきて、腕の中で狂おしいほどに乱れた。あのときの帰蝶の姿、肌の熱さを思い出すと、さらに胸が締め付けられた。

光秀を憎みながらも、裏腹に体は光秀を求めてきた帰蝶が、たまらなく愛おしかった。




けれどもそれから間もなくして、帰蝶は尾張国の織田信長のもとに輿入れが決まってしまった。またも光秀が帰蝶と結ばれる機会は失われてしまったのだった。



帰蝶は父から二度目の婚姻話を持ち掛けられたとき、拒絶はしなかったと聞く。

ただ、父と娘の会話の場では、信長との結婚に関しては、相当に不穏なやり取りがあった。

聞くところによれば

───もし、信長が噂通りのただのバカなら、この短刀でやつを刺せ───

と、父から娘に、短刀が手渡されたという。


すると、あろうことか帰蝶は、こう答えたというのだ。
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