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蝶恋乱舞~禁断の策略愛に溺れて
第6章 秘密の逢瀬
熱田神社を出た帰蝶は単衣をかぶって顔を隠し、光秀の隣を歩いていた。

熱田湊にある宮宿。

ここは港に着いた物品や書状を輸送するための集落で、宿場も備えている。旅ばかりしている光秀にとっては歩き慣れた庭も同然であるようだった。

「三軒先にある松乃屋に入り、おかみに明智十兵衛光秀の妹だと言うんだ。いいね」

耳打ちして帰蝶の背中を押すと、光秀はゆったりとその後ろを歩き出した。


帰蝶はのれんをくぐると硬い声音でいつわりの身分を告げた。

光秀がよく利用していると言う部屋に通される。部屋に面した通りからは、ひっきりなしに人馬や押し車が往来するにぎやかな音が聞こえた。

湯を注いだ椀を差し出しながら、女将はにこやかに言った。

「お兄様はいつも急にいらっしゃるんですよ。おかげでいつもこの部屋は空けておかないとならなくて」

困った風に言いながらもおかみはどこか嬉しそうだ。目の輝きから、この年上の女性は光秀に惚れているのだと直感した。

少しして、光秀が現れた。
おかみは、こんなに美しい妹さんがいたなんて、ちっとも話してくれなかったじゃないですか、と光秀の肩をぴしゃりと叩く。光秀は白い歯を見せておかみに微笑みかける。

「妹は旅で疲れているので少し休ませます。起きたらおかみに、湯漬けかなにかを俺から頼みに行きます。しばらく放っておいてやってください」




おかみが部屋を出ていくと、光秀の表情が一変した。
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