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蝶恋乱舞~禁断の策略愛に溺れて
第3章 蜜に似た毒
帰蝶は稲葉山城の一室で、ほとんどの時を眠って過ごすようになった母の、静かな寝顔を見つめていた。
病を発して、はや四年。いまは日中も床に就き、会話もままならない。
夫が死んで、郷であるこの金華山に戻った帰蝶は、自らに起こった出来事を母に話す代わりに、眠る痩せこけた青白い横顔を見つめながら思い返していた。
夫を失って土岐家から出戻ったその日のことだ。
疲弊した顔の娘に、父である道山が放った言葉は、信じがたいものだった。
「・・・このたびはお手柄だったな。頼充をなきものとした手際の良さ、見事であったぞ」
父の言葉に、帰蝶は全てを悟った。薬包の残像が、帰蝶の脳裏をよぎったのだ。
「父上、まさかあの薬包は」
「さよう。───血の流れが速くなり、血気盛んな様子となり、間もなく心の臓が破られる───。秘境の地のわずかな者だけが調合を知る妙薬と、光秀から聞いている」
その言葉を聞くなり、帰蝶は廊下に走り出て激しく嘔吐した。
夫を殺したのは、自分だったのだ。
病を発して、はや四年。いまは日中も床に就き、会話もままならない。
夫が死んで、郷であるこの金華山に戻った帰蝶は、自らに起こった出来事を母に話す代わりに、眠る痩せこけた青白い横顔を見つめながら思い返していた。
夫を失って土岐家から出戻ったその日のことだ。
疲弊した顔の娘に、父である道山が放った言葉は、信じがたいものだった。
「・・・このたびはお手柄だったな。頼充をなきものとした手際の良さ、見事であったぞ」
父の言葉に、帰蝶は全てを悟った。薬包の残像が、帰蝶の脳裏をよぎったのだ。
「父上、まさかあの薬包は」
「さよう。───血の流れが速くなり、血気盛んな様子となり、間もなく心の臓が破られる───。秘境の地のわずかな者だけが調合を知る妙薬と、光秀から聞いている」
その言葉を聞くなり、帰蝶は廊下に走り出て激しく嘔吐した。
夫を殺したのは、自分だったのだ。

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