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『春の嵐』
第3章 序章。
それからは先生が何を言っても無視して恵樹と話すようになった朋華。

先生に呼び出されて注意されても、無視して、恵樹と話した。

「退学にするぞ」

凄む先生。でも、そんなの怖くもなかった朋華。だって、姉が、

「経営が厳しいから退学なんて絶対にできない。だから、法律に触れない限り大丈夫。まして、クラスメートと話して罰するなんて、そんな理屈はないから。友達と仲良くしたらダメって言っていること自体、無茶苦茶よ」

と、教えてくれた。そう。朋華が通っていた幼稚園では、

「みんな、なかよし」

が、モットーだった。そして、朋華はみんなと仲良くなろうと頑張ってきた。それを否定するような先生たち。

間違っていると思った。卒園式のとき、園長先生は、

「小学校に行ってもみんなと仲良くするのよ」

と、訓示していた。幼稚園では目標で、小学校では違反なんてことはない。朋華はそう思った。だから、校長や教頭、学年団の先生たちの注意を無視し続けて、残りの小学校生活を過ごし、中学校でも、それを押し通した。

恵樹もそれに応えてくれた。先生たちに呼び出されても、

「以後、気をつけます」

と、言って終わり。教室に戻ると、朋華と一緒に話をしていた。

でも、香菜や早苗が、割り込んできた。

というより、あの一時期、恵樹と話せなかった小学校の高学年のあの時期に香菜や早苗が恵樹と話し始めていた。

あんなに軽くあしらっていた香菜がまるで別人のように恵樹と話し、笑うことの無かった香菜が笑い、恵樹を見て微笑んでいた。

朋華には思い当たることがあった。遠足・・・。弁当を食べる時、なぜか、恵樹が香菜の横に座っていた。朋華は、恵樹を挟んで香菜とは反対側に座った。でも、そのうち、みんなで話すようになって、朋華も香菜に話しかけていた。

あの頃から、香菜は急に恵樹に接近し始めた。何があったのか?それは朋華にはわからなかった。でも、何かがあったのだと思っている。

だって、香菜は幼稚園のときから、「ともだち?」「なかよく?」とイチイチ疑問を抱き、無視して園長先生に注意されていた問題児だった。それなのに・・・。

そして、朋華は気が付いた。香菜は恵樹のことを・・・。
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