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恋は静かに、長く、深く
第10章 浩平 星になれたら
僕はお母さんに名前を聞かれたとき、
「えと・・・」
って言ったんだな、
と気づいて笑ってしまった。
三十年前、
そうやって江藤と名乗った未来の僕は、
こう言った。
「俺は優香里への想いをひた隠して勉強し、
民間の研究機関で二十年を費やして
時空間移動技術を開発した。
優香里は高三になる前の春休みに、
タケさんと名乗る男の子供を妊娠して中絶した。
自分の中に宿った命を見捨ててしまったと
自責の念に駆られた優香里は
鬱状態に陥った。
三年に進級した頃から
家の外に出られなくなって、
出席日数が足りず
高校を卒業できなかった。
それから三十年、
病気がちで仕事も続かず、
生活もままならない。
俺がプロポーズしたら、
自分にはそんな価値はないと言う。
・・・あんなにキラキラ輝いていた子なのに。
俺は苦しむ優香里を救うため、
過去に戻ってきた。
そして優香里に、
援助交際をやめさせた」
江藤、つまり未来の僕は、
優香里が妊娠してしまうことを阻止して、
未来へと帰っていったのだった。
僕の好きな人の心を奪ったのは、
僕自身だったのだ。
「えと・・・」
って言ったんだな、
と気づいて笑ってしまった。
三十年前、
そうやって江藤と名乗った未来の僕は、
こう言った。
「俺は優香里への想いをひた隠して勉強し、
民間の研究機関で二十年を費やして
時空間移動技術を開発した。
優香里は高三になる前の春休みに、
タケさんと名乗る男の子供を妊娠して中絶した。
自分の中に宿った命を見捨ててしまったと
自責の念に駆られた優香里は
鬱状態に陥った。
三年に進級した頃から
家の外に出られなくなって、
出席日数が足りず
高校を卒業できなかった。
それから三十年、
病気がちで仕事も続かず、
生活もままならない。
俺がプロポーズしたら、
自分にはそんな価値はないと言う。
・・・あんなにキラキラ輝いていた子なのに。
俺は苦しむ優香里を救うため、
過去に戻ってきた。
そして優香里に、
援助交際をやめさせた」
江藤、つまり未来の僕は、
優香里が妊娠してしまうことを阻止して、
未来へと帰っていったのだった。
僕の好きな人の心を奪ったのは、
僕自身だったのだ。

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