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路地裏文化研究会
第11章 輪読会
 わたしも中村さんも”××”は『バツバツ』、”××××”は『バツバツバツバツ』と読んでいます。”(笑)”は『カッコ笑い』と。”…”はさすがに『テンテンテン』と読んだりはしませんが…。なんだか滑稽なようですが、おじさんたちはまた目をつぶってわたしたちの朗読に耳を傾けているようです。

 「それにしても、”才媛”はひたすら冷静だね」
 「”××”っていうのはおそらくアレでしょ? それなのになんのためらいもなく”編集子”に話している」
 「心を許しているよね。”編集子”の人徳なんですかね」
 「まあ、録音を聴いている訳ではないが、いくらか整理してまとめてあるのだろうね」
 「そうなんでしょうが、女学生と編集子の世代を超えた交流が展開されていると思っておくのがロマンというものでしょうな」
 「奈津子さんは…いや、何でもないです。失礼」

 おじさんの一人が言いかけて止めました。わたしに”××”のことを訊こうとしているのではなく、”世代を超えた交流”のただ中にいると感じているかを訊きたかったのだろうことは分かっていましたが。

 『その後、松茸ハントには行かれたのですかね』
 『はい。実は数回参りました』
 『ご友人と一緒に』
 『はい。そうです。山に一人で上がるのはやはり心細いので。季節はとうに終わっていましたけれど(笑)』
 『季節の外れの松茸を召し上がっている様子を…』
 『はい。あくまでも偶然ですけれど(笑)』
 『ええ。偶然にね(笑)。なにか新しい発見はありましたか』
 『”少しくらい寒くても、虫が出なくなって助かるわ”って仰っていました(笑)』
 『切実な問題だったのでしょうね(笑)。何せ”アオ××”を嗜まれているのですから。ご存じですよね? ”××カン”』
 『はい。貴誌の愛読者ですから(笑)』
 『恐れ入りました(笑)』

 「伏せ字をうまいことずらしているね」
 「時代を感じるよな。一昔前は当たり前だったよね」
 「受け答えがいいよね。女学生らしからぬ」
 「いいよね。清楚な女学生がそういう用語を知っているなんていうのはさ」
 「いつから”清楚”になったんだい?」
 「”清楚”に決まっているじゃないか」
 「”清楚”で構わないのだが、やはり堂々としているんだよな。肝が据わっているんだ」
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