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路地裏文化研究会
第11章 輪読会
『そのようなことになります。ですので、わたくしが譲り受けたとかいう訳ではなく、友人と共有しているような次第です。共有と云っても折に触れお兄様の隠し場所から持ち出したり返したりしているということです』
『成程。なかなか巧妙に弊誌とお付き合いいただいている訳ですな(笑)。お兄様に発覚することはないのですか』
『余り頓着のない方のようなので(笑)』
『それは好都合ですね。お兄様には是非末永くご購読いただくことを願っておきますが(笑)。それでは、そろそろ本題に入って参りますが、先般ご投稿いただきました事柄につきまして。これは全くの偶然だったのですか』
「ほう。この娘《こ》は『××××』に投稿していたのかね」
「文華堂さん、投稿が載ってる号もあるのかね」
「探しているんですがなかなか見つかりませんでね。まあ、これからのくだりで粗方わかりますがね」
「ああ、そうか。それは楽しみだ」
おじさんたちは文字を追うのは止めて目をつぶって続きを待っています。
『偶然と云えば偶然なのですが、学校が引けた後、友人に誘われて女学校の裏手の松山に松茸を採りに入っておりましたときのことでした』
『そうでしたね。そうしたら…』
『女学校の先生が山を上って来られまして』
『ええ。一組の男女として』
「”一組の男女”、か」
「生々しいね」
「教師と云えども生身の人間ですからな」
『友人と私は慌てて松の木の陰に隠れました』
『ただならぬ気配を感じた訳ですね』
『はい。その場から立ち去る訳にもいかず、ただ息を殺しておりました』
『そうしていたら始まってしまったと』
『…そういうことです』
『さぞかし驚かれたことでしょうね。日頃は貴女方にとっては先生でいらっしゃるのでしょうから』
『そうですね』
『弊誌をお読みになっていればいくらか予備知識もおありだったのではないかと自負もするのですが、やはり”事実は小説も奇なり”でしたか』
『正直に申しまして私も親の営みを目にしたこともありましたが、やはり赤の他人と申しますか、赤の他人ならまだしも学校の先生でしたので、その…』
『成程。なかなか巧妙に弊誌とお付き合いいただいている訳ですな(笑)。お兄様に発覚することはないのですか』
『余り頓着のない方のようなので(笑)』
『それは好都合ですね。お兄様には是非末永くご購読いただくことを願っておきますが(笑)。それでは、そろそろ本題に入って参りますが、先般ご投稿いただきました事柄につきまして。これは全くの偶然だったのですか』
「ほう。この娘《こ》は『××××』に投稿していたのかね」
「文華堂さん、投稿が載ってる号もあるのかね」
「探しているんですがなかなか見つかりませんでね。まあ、これからのくだりで粗方わかりますがね」
「ああ、そうか。それは楽しみだ」
おじさんたちは文字を追うのは止めて目をつぶって続きを待っています。
『偶然と云えば偶然なのですが、学校が引けた後、友人に誘われて女学校の裏手の松山に松茸を採りに入っておりましたときのことでした』
『そうでしたね。そうしたら…』
『女学校の先生が山を上って来られまして』
『ええ。一組の男女として』
「”一組の男女”、か」
「生々しいね」
「教師と云えども生身の人間ですからな」
『友人と私は慌てて松の木の陰に隠れました』
『ただならぬ気配を感じた訳ですね』
『はい。その場から立ち去る訳にもいかず、ただ息を殺しておりました』
『そうしていたら始まってしまったと』
『…そういうことです』
『さぞかし驚かれたことでしょうね。日頃は貴女方にとっては先生でいらっしゃるのでしょうから』
『そうですね』
『弊誌をお読みになっていればいくらか予備知識もおありだったのではないかと自負もするのですが、やはり”事実は小説も奇なり”でしたか』
『正直に申しまして私も親の営みを目にしたこともありましたが、やはり赤の他人と申しますか、赤の他人ならまだしも学校の先生でしたので、その…』

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