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路地裏文化研究会
第11章 輪読会
 「じゃ、始めますか。”編集子”のところを読んでいきますよ」

 中村さんが冊子を顔に近付けます。

 『本日は当編集部までご足労頂き有難うございます。結構時間がかかりましたでしょう?』

 わたしも冊子を顔に近付けます。インクの匂いが心地よく感じられます。

 『慣れないもので道に迷いそうになりましたが、ようやくたどり着くことができました』
 『随分早い時間にお出になられたのですよね。無理を申しました』
 『いずれ就職でもすれば通うことにもなりますので、今日は予行練習という名目で出て参りました』
 『貴女と弊誌との間でまた新たに”秘密”を作ることができたことを慶びたいと思います。さて、できればゆっくりいろいろインタヴュウしたいのですが、うら若き女性に外泊していただく訳にも参りませんので、程々の時間で切り上げないといけないのが誠に残念なのでありますが、テンポよくお伺いしていくこととしたいと思います。手始めに自己紹介からお願いしましょうか』
 『わたくしは、×××子と申します。某県に所在する女学校に通っております』
 『失礼ながらご年齢は』
 『××歳です』
 『ここに記すことは叶いませんが、学校のお名前を伺えばまさに才媛でいらっしゃる。学業もさぞかし優秀とお見受けしますが』
 『優秀という程ではありませんが、平均点は取るよう努力しております』
 『控えめなお人柄が大変に結構ですね。そのような才媛が、日頃より弊誌を愛読いただいているということで、此方こそ誠に恐れ入ります。弊誌との馴れ初めなどご披露いただけますか』
 『クラスメイトから借りたのが最初です』
 『このような雑誌ですから、仲のよいご友人ということでしょうね(笑)』
 『はい。家も近くの幼馴染がおりまして。家の納屋から見つけたと申しておりました』
 『納屋というのも誠に秘密めいた場所で弊誌に相応しい馴れ初めで誠に結構。ご友人のお家の納屋からどのような経緯《イキサツ》で貴女の手許に渡ったのですか』
 『友人にはお兄様がいらっしゃって、お兄様が納屋に隠し持たれているのです』
 『それを妹さんであるご友人が持ち出されていると』
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