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路地裏文化研究会
第11章 輪読会
今日は輪読会をすることになった。何を輪読するのかはまだ知らない。古書店を営む中村さんが何かめぼしいものを見つくろって用意してくれることになっている。
講義が終わって中村さんのお店に向かう。『定休日』の札が掛かったガラス戸を引いてカーテンの隙間から中に入る。
皆さん、既に来ているようで、上がり框には靴が並んでいる。狭い階段をそっと上がって襖を開ける。
「こんにちは。遅くなりました…」
「やあ、奈津子さん、お待ちしていましたよ」
「まだ時間前です。遅刻などされていませんよ」
「そうそう。暇な人間が待ちきれずに早く来ているだけさ」
山田さん、吉川さん、村井さんが口々に声をかけてくれます。
(あの、中村さんは?)
そう言い掛けたとき、階段を誰かが上がってくる気配がして襖が開きました。
「お待たせ。ようやく刷り上がりましたよ」
中村さんがわら半紙の束を抱えています。
「こっちから一枚ずつ取ってくれるかな」
小さな文字がガリ版で印刷されています。
「お疲れさん。骨が折れたろう?」
「たまには代わってくださいよ」
「いやいや、中村くんがいちばん達筆だからね」
「そうそう。妙な癖もなくて読みやすいし」
皆さんが五枚ほどの紙を取り、半分に折って重ねています。わたしも同じようにして、ホッチキスで止めるとちょっとした冊子ができあがりました。冒頭に『路地裏文化研究会 〇年〇月例会』と書かれた文字は確かに綺麗で読みやすい字です。
「じゃ、始めますか」
「お願いします。今日の題材は?」
「昭和XX年X月発行の雑誌『××××』掲載の『女学生インタヴュウ』です」
「おお。『××××』か。懐かしいところを持ってきたね。いいね」
「これはまた面白いものを。ノスタルジックだね」
「『女学生インタヴュウ』とは新入会員への歓迎の気持ちですな。たまに伏せ字もあるが、それを推理するのもまたいいのだよね」
「女学生は”昔も今も変わりなく”なのか、はたまたそうではないのか。楽しみだね」
「では冒頭から。女学生のところの読み上げは奈津子さんにお願いしましょうか」
「はい…」
「”編集子”は誰がする?」
「”誰がする?”となったら大抵はボクですよね…」
中村さんが苦笑いしています。
講義が終わって中村さんのお店に向かう。『定休日』の札が掛かったガラス戸を引いてカーテンの隙間から中に入る。
皆さん、既に来ているようで、上がり框には靴が並んでいる。狭い階段をそっと上がって襖を開ける。
「こんにちは。遅くなりました…」
「やあ、奈津子さん、お待ちしていましたよ」
「まだ時間前です。遅刻などされていませんよ」
「そうそう。暇な人間が待ちきれずに早く来ているだけさ」
山田さん、吉川さん、村井さんが口々に声をかけてくれます。
(あの、中村さんは?)
そう言い掛けたとき、階段を誰かが上がってくる気配がして襖が開きました。
「お待たせ。ようやく刷り上がりましたよ」
中村さんがわら半紙の束を抱えています。
「こっちから一枚ずつ取ってくれるかな」
小さな文字がガリ版で印刷されています。
「お疲れさん。骨が折れたろう?」
「たまには代わってくださいよ」
「いやいや、中村くんがいちばん達筆だからね」
「そうそう。妙な癖もなくて読みやすいし」
皆さんが五枚ほどの紙を取り、半分に折って重ねています。わたしも同じようにして、ホッチキスで止めるとちょっとした冊子ができあがりました。冒頭に『路地裏文化研究会 〇年〇月例会』と書かれた文字は確かに綺麗で読みやすい字です。
「じゃ、始めますか」
「お願いします。今日の題材は?」
「昭和XX年X月発行の雑誌『××××』掲載の『女学生インタヴュウ』です」
「おお。『××××』か。懐かしいところを持ってきたね。いいね」
「これはまた面白いものを。ノスタルジックだね」
「『女学生インタヴュウ』とは新入会員への歓迎の気持ちですな。たまに伏せ字もあるが、それを推理するのもまたいいのだよね」
「女学生は”昔も今も変わりなく”なのか、はたまたそうではないのか。楽しみだね」
「では冒頭から。女学生のところの読み上げは奈津子さんにお願いしましょうか」
「はい…」
「”編集子”は誰がする?」
「”誰がする?”となったら大抵はボクですよね…」
中村さんが苦笑いしています。

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