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2026 人質交換を託された女 (上巻)
第5章 スマートマウス(2)
巧みな調整と、絶妙な匙(さじ)加減で、体を這う縄に、私は成す術がなく、ただの獲物として、次に何をされるのか、大人しく待つしかなかった。
静寂を破り、足音と、何かを転がす音が徐々に近付いてくる。誰かが更衣室の扉を開け、中に入ってきた。足音より、ゴロゴロと転がる音の方が大きく、それが何なのか分からず、耳を澄ませる。
足音でそれが、あの男だと分かる。気配で私の目の前にいると感じた。
立てた膝をお腹の方に畳み、彼の姿が見えなくても本能的に防御姿勢を取っていた。
男が1歩前に踏み出し、私の頭を抑えると、私は「…ンッ…!」と声を出した。目隠しを締め上げる結び目が解かれ、その直後、目隠しが外れ、目を細め、ゆっくりと視界を取り戻していく。
更衣室内は、ライトが灯されず、薄暗いままだった。
「私の話を聞いてくれるか…?」
男は目の前に置かれたオフィスチェアに腰掛けた。ロッカーの扉に背中を預けた私を、高い位置から見下ろしていた。右手には何か細長い棒状の物を持っていた。それは、腕の長さより少し長かった。
静寂を破り、足音と、何かを転がす音が徐々に近付いてくる。誰かが更衣室の扉を開け、中に入ってきた。足音より、ゴロゴロと転がる音の方が大きく、それが何なのか分からず、耳を澄ませる。
足音でそれが、あの男だと分かる。気配で私の目の前にいると感じた。
立てた膝をお腹の方に畳み、彼の姿が見えなくても本能的に防御姿勢を取っていた。
男が1歩前に踏み出し、私の頭を抑えると、私は「…ンッ…!」と声を出した。目隠しを締め上げる結び目が解かれ、その直後、目隠しが外れ、目を細め、ゆっくりと視界を取り戻していく。
更衣室内は、ライトが灯されず、薄暗いままだった。
「私の話を聞いてくれるか…?」
男は目の前に置かれたオフィスチェアに腰掛けた。ロッカーの扉に背中を預けた私を、高い位置から見下ろしていた。右手には何か細長い棒状の物を持っていた。それは、腕の長さより少し長かった。

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