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2026 人質交換を託された女 (上巻)
第3章 囚われの身
「で・も・・あ・き・ら・め・な・い・」

今度はカメラに背を向けて、縛られた自身の後ろ姿を映すようにしていた。もう直接アドバイスを貰えないが、どんな風に縛られているか、先輩には見せておきたかった。そして、左手小指を立て、ピンキーリングを何度も動かした。年配の男性がよく『彼女』を意味するやり方だった。この指の重要性を伝えた。

振り返り、彼女のつもりでという意味も込めて、口を開けた。

「ロ・ス・ト・し・な・い・で・」

「は・ん・に・ん・は・・ろ・く・に・ん・」

鏡に背を向け、指を使い、数字の6を伝えたかったが、左右の手がそれぞれ離れされて拘束されていたし、正直うまくできたか不安だった。

本当は『早く助けてください』と伝えたかった。でも対策本部としても現場の情報が不足して、アクションが起こせないという状況も理解していた。だから犯人グループの数だけは伝えらることにした。

扉が開き、男が再び入ってきた。私と目を合わせると、すぐに「出るぞ…」と指示をされ、先にトイレから出ていく。
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